ガウディウムは今、クリスマスパーティの真っ最中であった。 「伯爵様、こちらがパティシエ特製のキリカブケーキ・クリスマス風でございます」 「ふ〜ん、なかなか美味しそうじゃない…あっ!ピスト、動くなっていっただろ」 「伯爵サマ…どうして、どうして私がツリーの役なのですかーーー!? ナゼ、植木蜂の上に立っていなければならないのですかーーーーーー!? !?…ヘルバ!私を飾り付けするなーーー!!!」 そこには、ピストに派手な飾りを巻き付けるヘルバの姿があった。 「だってツリーなら、もっと綺麗に可愛くしたいもの♪」 「そうそう、貴方がツリーに適任ですからねぇ」 モミの木がどうしても見つからなかったため、 形が似ているピストが、ツリーの変わりにされていたのだった。 頭に星の飾りを付けられ、植木蜂の上に立たされて…。 「こんな役、フングスにでもやらせておけばいいじゃないですか!」 「よく考えてみてよ、ピスト…クリスマスにキノコを飾って何が楽しいというんだい」 「そ、そう言われれば…ですがですね!」 「何?ボクに逆らう気?」 「いえ、いいです!ツリーが一番!ツリーサイコーーー!!」 その時、フングスが部屋に入ってきた。 「今、何か某の事を言っていなかったか?」 「あら、フングスちゃん。そのサンタの服よく似合ってるわ♪」 「本当ですね。まるでその服を着るために、生まれてきたような感じですよ!」 「なんだか、その言葉…あまり嬉しくはないぞ…」 そこへ少し遅れて、サンタ服に着替えた雲がやって来る。 「さっき渡された服を、着てきたのだが…」 「きゃ〜〜〜vvv魔剣士ちゃん、すっごく可愛いわよん♪」 その雲の姿を見たヘルバは、大騒ぎたった。 しかし… 「そ、その服!ヘルバ用のではないか!?」 「ミ、ミニスカート!?」 「…?」 雲が着ていたのは、超ミニなスカートのサンタ服だった。 似合いすぎていて、みんな一瞬、女物だとは気がつかなかったのだ。 雲も気付いていなかった。 「もう、さわがしいなぁ!落ち着いて、ケーキが食べられないじゃないか!!」 「まぁまぁ、伯爵様。今日はクリスマスです。 無礼講という事で、許してやってはいかがです?」 「そうだね。それじゃ今日は、ボクに逆らっても、ボクの頭を撫でても怒らないよ。 …でも、明日になったら許さないからね?」 子供の姿なのに、鬼も逃げたすこの極悪な笑み。それこそが、タイラントだった。 「無礼講の意味ないじゃん?」とオスカーは思っていた。 「おそらく酔っ払ったピストが、何かしでかすに違いない」そうも思っていた。 こうして、楽しくもあり楽しくも無いクリスマスの夜は更けていく。 明日がどうなっているか、考えると恐ろしい…ピストの命運を祈ろう。 て、いうか何でピスト? クリスマス用にこんな話を書いてみました。 異様にピストの出番が多い。フングスが少ない。 そして雲は天然ボケ(笑)で、タイラントは極悪人。 オスカーが持っているプレゼントは、おそらくオメガでしょう。 1時間位で書いてしまったものなので、どうだか…。 ともかく、メリークリスマス!ですな。 |