異界の夜へようこそ・・・
私はファーブラ、導く者。
迷い人達は辿り着いたのは演劇の街。
そこでまた出会った黒き風・・・

宝塚気取ってんじゃねーよ・・・

『風組公演〜アンリミテッドかげきだん〜』



アレクサンドリア(ヲい

「ひっろーい!!!」

周囲を見まわしアイは驚いた。
それもそのはず、このアレクサンドリアは
この広い異界の中でも、トップを争うほど巨大な都市であるからだ。
ちなみに女王はガーネットではない。
「人がいっぱいいるね。」。
通り過ぎる人々を見ながらユウは言った。
中にはしっぽや猫の耳が生えた亜人なんかもいた。

「君達、ここは初めてかい?」
初めて見たアレクサンドリアの街に驚くアイ達に、1人の青年が話し掛ける。
耳がエルフの様に長く、2メートルは軽く越える身長。
日光を跳ね返す白銀の髪に、それに対照的な黒い肌。
アレクサンドリアの人口の半分をしめる種族「エルヴァーン」だ。
アイ達の中でそれを知っていたのは密かにチョビだけだったが。

「そうだけど、あなたは?」
リサはいきなり話し掛けてきたこの青年に警戒心を抱く。
異界に来てから色々おかしな事が起こっていたので、
少しピリピリしていたのだろう。
「俺はユリウス・カエサル、ユリウスでいーよ。君達は?」
髪をかき上げながらユリウスは聞き返す。
全く関係無いがよく見るとけっこうハンサムだ。
「あたしはアイ、こっちは双子の弟のユウ。
 あたし達外界からお父さんとお母さんを探しに来たの。
 で、こっちがリサ、彼氏を探してるんだって。」
リサとは違いアイはベラベラと自分の事を喋る。
間違いなくこの子は誘拐されるタイプだ・・・
リサは心の中でそう思った。

「ふーん。自分から異界に来たのか・・・ま、いーや。
 君達、演劇に興味ある?」
「・・・・え、演劇?」
ユリウスのいきなりの質問にアイ達は戸惑う。
「嫌いではないけど・・・・?」
その質問にリサが答える。
その答えを聞きユリウスは喜ぶ。
「本当に!!?じゃあさ、一緒にこれから劇見ない?
 友達がいきなり『用事が出来たから無理』とか言い出したからさー
 3枚余っちゃったんだよねーしかも今日で公演終わりだからさー、
 てゆーわけで一緒に行こうよ!!もちろんチョコボはタダだよ。」
「え・・・・あ、うん・・・・」
あまりにも嬉しそうなのでアイ達は断ることが出来なかった。
まあ悪い人ではないらしい。
「まあ、たまにはいいかな・・・・」
アイ達はユリウスの案内で芝居小屋へと向かった・・・


芝居小屋(小屋と言ってもでかいけど)

「指定席なんて・・・本当によかったのかしら?」
リサは申し訳なさそうに指定席に座る。
「いーよ、券俺が買ったんじゃないし。」
バケツジュースを飲みながら、ユリウスは言った。

「お芝居なんて初めて〜♪」
「シンデレラだってお姉ちゃん。」
アイとユウは期待を膨らませ始まるのを待っていた。
「それにしても風組なんて初めて聞くなあ、どんな役者がいるんだろ?」
チケットを見ながらユリウスはそんな言葉を呟く。
「・・・風組?」
その言葉を聞いた瞬間リサは嫌な予感がした。
「うん。俺が知ってるのは花組、月組、星組、雪組、空組なんだけど、
 風組なんか聞いた事ないなぁ、新しく作られたのかな。」

『ただいまより、風組が演じるシンデレラが始まります。』

アナウンスが流れると、閉じられていた舞台の幕が開く。
「始まった〜ドキドキ。」
アイとユウは舞台の方へと向く。

舞台に居たのは意外な人物であった。
リサの予感は当たってしまった・・・・・・

「・・・・・・」
シンデレラの役の人は、間違いなく黒き風であった。
女装したその姿は並の女より美しかった。

「・・・・おじさん?」
「・・・・なんでいるの?」

予言・・・・できない・・・つーか、したくない・・・

雲組乱入〜アンリミテッドかげきだん〜

次回もアンリミテッドの・・・・み、導きを・・・・





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