夢に垣間見る忌まわしき記憶。
記憶が無い疾風には意味が分からない。
でも大丈夫。
彼方には支えてくれる人がいる。
たった一つの……


『感情 ―にくしみとこんらんのはてに―』


華雲は自室で爪を噛みながら、イライラしていた。
「あーらv制御(セーブ)ったら、そんなにイライラしてたら可愛い顔が台無しよ ん」
そこに華雲の怒りを煽るように、四季が現れた。
「何しに来た………操作(コントロール)」
華雲は自室に現れた四季をうっとおしげに睨んだ。
「制御ったら怖―いvそれに妾の事は四季って呼んでよ〜」
「じゃあ俺も華雲と呼べ」
「それはちょっとねv御主人様の敵が付けた名前では呼べないわんv」
「じゃあ俺も同じだ。伯爵は俺の名付け主。
 その名付け主を狙う貴様とは馴れ合いたくもない」
「いやぁーんv制御は厳しいわんv」
いかにもなコギャル口調を聞きながら、華雲の怒りは限界位置までに達していた。
「そんなんだから、核部(コア)ちゃんが怯えるのよ〜」
この言葉で華雲の理性はついに切れた。
「煩い!! 」
これには流石の四季もビックリしたのか、顔をキョトンとさしている。
「あんな奴の………あんな奴の話なんてするな!!」
「制御は核部ちゃんの事嫌いなの?」
「あんな奴大っ嫌いだ!自分だけ………自分だけ逃げて……」
「でもぉん。そのおかげで妾達が生まれたんじゃないの?」
「………っ。そんなの関係無い!!」
「それに、核部ちゃんには記憶が無いのよん。
 ただ責めるだけじゃ核部ちゃんが可哀相だわん」
「………っ!」
「それは核部ちゃに一番近かった貴方が良く知ってるんじゃないの」
四季の言葉は正論で華雲は黙るしかなかった。
「俺だって……俺だって分からないよ……」
「制御は核部ちゃんを憎む事で自分を保とうとしてない?」
「……………」
「核部ちゃんを憎む事で自分の存在理由を作ろうとしてない?」
「そうかも知れないけど……俺にはそうするしか分からないんだ!」
「……………そろそろもどらなくっちゃ。バイバイ制御」
四季はそう言うと、一瞬にして姿を消した。
部屋に残されたのは、気持ちの整理が纏まらない華雲だけ。
しばらくすると、華雲はニヤリと微笑んだ。
「分からなければ憎めばいい……」
それだけえを口にして、自室を出て行った。


予言します。
彼は力。
彼は門番。
寂しい運命を歩きながらも
希望の道を忘れない……

力(ゲート) ―はかなきしょうねん―
次回もアンリミデットな導きを………




[PR]動画