「異界の夜へ、ようこそ・・・・・・・・・ 私はファーブラ、導く者、 迷い人達が運命に導かれ、出会う者がいる、 それは雨という名の一人の女性・・・・・・・・・・・・」 『雨〜のろわれしもの〜』 リサ達は、異界のとある荒野に来ていた。 だが、そこは土砂降りの雨が降り続いている。 リサ達は、ひとまずすぐ傍にあった洞窟に雨宿りしていた。 「この雨・・・・・・・いつになったらやむのかなぁ・・・・・・・・、 これじゃ、お父さんたち探せないよ・・・・・・」 アイが呆れたように言った。 無理も無い、 ここに来てから、この雨は降りっぱなしで、 もう2時間はこの洞窟の中に居続けなのだ。 「異界にも、雨が降るんだ・・・・・・・・・。」 ユウは異界の鳥、チョビにもたれて外の雨を見ている。 そしてリサは、不思議な氣を感じていた。 「何かしら、すごく・・・・・・悲しい氣・・・・・・・・。」 「あっ!!!」 外を見ていたユウは、土砂降りの雨の中、人影を発見した。 その姿は、マントを身にまとい、膝の辺りまで髪がのびていて、 耳には、赤い玉がはめ込まれたイヤリングをしている。 「風・・・・・・・・・・?」 リサが立ち上がり、その人影に向かって走り出した、 風? なぜ貴方がこんな所に・・・・・・・ リサは人影のマントをつかむ、そして人影ががリサに気付いた。 「あ・・・・・・・・・・・?」 確かに、姿は風に似ている、そかし、その人は、 『女』だった。 その女は灰色の髪をしていて、瞳は黒く、耳のイヤリングは円い 形をしている。 「あ・・・・・・ご、ゴメンナサイ・・・・・・人違いでした・・・・・・」 「・・・・・・・・・・・・」 その女の顔は、造りは美しいのだが、・・・・・・何故だろう、 口の端には血の流れた痕があり、額にはまだ新しい傷があり、 そしてなにより、どこか表情がとても哀しげだった。 (この人、どうしたのかしら・・・・・・・) リサがそんなことを考えていると、あることに気付く、 そうだ、今は雨が降っているのだ。 「こんな所に居ると、濡れちゃうわ、こっちに来て、」 リサが女の手を引いて、自分達が雨宿りしている洞窟に連れてきた。 「リサ、急に走り出して、どうしたの?」 「その人、誰?」 「クエ〜〜。」 双子に質問されて、連れて来られた女は口を開く。 「拙者は、名乗るほどの者ではない・・・・・お前達は?」 リサ達は、鳥肌がたった。 この女はとてつもなく『美声』だったのだ。 歌など歌われたら感動して泣いてしまうだろう。 「わ、私はリサ。」 「あたしはアイ、」 「僕はユウっていうんだ、あとこの子はチョビ」 「クエ〜〜〜〜。」 3人+一匹は鳥肌を堪えながら自己紹介した。 「ひとつだけ・・・・言っておく」 「なに?」 「拙者は『呪われた者』だ」 「え?」 その時だ、洞窟の奥から何かが聞こえる。 なにかが迫ってくる。 「皆!!! 洞窟から出て!!」 リサが叫んだ。 感じる、邪悪な氣を、 迫ってきたのは、ガウディウム四凱将の一人、ヘルバだ。 たくさんの植物モンスターを従えてやってきた。 「んふふふふふ〜〜〜vvやぁっと見つけたわよんvv」 「伯爵の・・・・手先!!」 ヘルバは、リサ達になど目にもくれず、あの女を見ている。 「大人しく、私に付いて来て〜〜〜ん、じゃないと、はぐはぐしちゃうわよ〜〜〜」 「・・・・・・なんだか知らんが、拙者は付いて行く気など無い、早々立ち去れ、」 「なら・・・・・、はぐはぐちゃん達!!!、捕まえるのよ〜!!!」 植物のモンスター達は女に向かって襲い掛かる。 「危ない!!!!」 双子とリサが叫ぶ。 女は腰に差していた短刀を抜き、モンスター達を迎え撃とうとする。 「駄目よ!!! そんな物では勝てる訳無いわ!!!!」 だが、それはとんだ読み違いだった。 女はひらりひらりと舞うように攻撃をかわし、確実にモンスター達を倒していく。 「っ・・・・・・!?強い!!」 しかし、3匹だけ雨の攻撃から逃れ、リサ達に襲い掛かってきた。 「きゃあああああああ!!!」 その時、女は眼を閉じ、大気中の氣をかき集めた、 『雲』の氣『地』の氣『雨』の氣を、 瞬時に身体の中に取り込み、混ぜ合わせる。 方膝を折り、地面に手を付き、混ぜ合わせた氣を地に送り込む。 「大地に眠りし地の龍よ、寝覚めよ!!!」 『大地の詠唱歌!!!』 地面が揺れる。 地に亀裂が入り、そこから土で出来た龍が踊り出た。 大きさは人一人は乗せられるくらいの大きさで、 洞窟を崩せるような大きさではない。 「なっなあに!!」 ヘルバは驚いて眼を開いたまま硬直した。 「拙者の術・・・・・・・、『創造術』、地の龍に飛ばされるがいい」 土で出来た龍はまず、リサ達に襲い掛かっていたモンスターを 尾で外へ飛ばし、次にヘルバをくわえ、見えない所まで飛ばした。 「覚えてらっしゃいよ〜〜〜〜〜!!!」 ヘルバは星になった・・・・・・・・。 その光景を間のあたりにした3人と一匹は呆然としていた。 女はすたすたとその場を立ち去ろうとする。 「待って!!!」 リサが呼びとめる。 「貴方は・・・・・一体・・・・・・!!!?」 女は一度瞬きして、こう言った。 「拙者の名は雨・・・・・・・・『暗灰の雨』・・・・ 雨を降らす、『呪われた者』だ。」 「呪い・・・・・・?」 『雨』はリサの問いに答えず、土砂降りの雨の中消えていった。 「ファイナルファンタジー・アンリミテッド 予言します・・・・・・・ 呪われし者、『暗灰の雨』 彼女の呪いを知るのは・・・・・・・・・・・ 『陰陽師〜ひかりとかげ〜』 次回もアンリミテッドな導きを・・・・・・・・・」 |