「異界の夜にようこそ・・・・・・・
 私はファーブラ、 導く者・・・・・・・・
 迷い人達が出会った一人の女性、
 『暗灰の雨』
 彼女の呪いを知るもの

   それは・・・・・・・・・・


『陰陽師〜ひかりとかげ〜』


雨が降っていた。
ただ 雨が降っていた。
その中をただ歩いていく女性
ながい灰色の髪をして、耳に揺れているのは
紅い玉のはまったイヤリング。

そう 『雨』だった。
彼女が行く所には必ず雨が降る。
そういう『呪い』を、生まれつき持っている女。

この地にはヒトが暮らす町があるらしいが、
決して近寄らない。
近寄ればその町の連中に
『呪われた者』と言われ、
銃や石を持たれ 追い掛け回されるから
この地から出て行くまで。

「不運を運んでくる者、 この町から去れ!!!!」
「出て行け 我々を呪いに巻きこむな!!」
「出て行け!!!」
前にいた地で、ヒトに見つかり、
怪我を負わされた事を、覚えている。

「・・・・疲れた・・・・・・どこか休める所を・・・・・・・・」
『雨』はそこらへんを見渡した。
するとちょうどいいトコロに 大きな樹が。
「あそこで 一休みするか・・・・・・」
そして そこに足を運ぼうとしたが

ヒトの氣がした、
あの大木の下に誰か居る

「っ・・・・・・・・」
身体中に震えが走る。

―――――追い掛け回されるのは、ごめんだ―――――

『雨』はその場から立ち去ろうとした。
だが
「こんな所に居ては、風邪をひいてしまいますよ。」

背後から、声がした。
その声は、あの樹の下に居たヒトの氣を放つ、
男性だった。

          そんな  いつの間に

『雨』は腰に差してある短刀を抜こうとした。
「安心して下さい。私は、貴方の敵じゃないですよ」
やわらかな氣がする。
どうやら言っている事は本当のようだ。

だが、
その男は不思議な姿をしていた。
異界では見なれない服装をしていて、
美しい黒髪を、首のあたりで切り揃えている。
「立ち話もなんです、あの樹の下に行きましょう。」
『雨』は大人しくその男のあとについて行った。


その樹の下に、まだ二人男が居た。
一人は樹の根元にあぐらをかき、
黒髪の男と同じ様に見なれない服装をした
錆はなだ色をした長い髪を頭の高いところで結った男。
そしてもう一人は、樹に寄り掛かり、足をほうりだしていた。
漆黒のマントをまとい、
鳶色の髪を首と腰のあたりで二つに結った男、
そう、黒き風だった。

「私の名は『陰陽(いんよう)』といいます。そしてあそこの
 サムライは共の『哀護真(あすま)』と言います。」
あぐらをかいていた男は、立ち上がり深深とお辞儀をした。
その者の腰には長い長刀がささっていた。
どうやら、あの男が哀護真というらしい。
「貴方の名は?」
「暗灰の雨・・・・・・」
「雨殿・・・・と言うのですね」
陰陽はにっこりと感じの良い顔で笑った。

「私は陰陽師をやっておりまして・・・・・・・
 なにか一つ、占いましょうか?」
「陰陽師・・・・・・か、」
陰陽は『雨』の耳に揺れるイヤリングを見た。
「貴方・・・・そのイヤリングをどこで?」
陰陽が『雨』イヤリングを指差す
「これか?・・・・拙者が物心ついた時から持っていた物だ」

陰陽の表情が険しくなる。


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「これが・・・・どうかしたのか?」
「・・・・・いえ・・・・なんでも・・・・・・・」

黒き風はチラっと『雨』を見る。
だがそれだけで、すぐそっぽを向いた。

「・・・・そろそろ行くか・・・・・・」
「・・・・・・・どちらに?」
「わからない」

  そう言い残し、『雨』は消えていった。

「哀護真・・・・・・あの方には、また会わなくてはいけませんね」
「はっ・・・・・・・」

黒き風は『雨』が消えていった方向に目をやる。
「雨・・・・・・・・・・」
と、一言呟いた・・・・・・・・。


「ファイナルファンタジー・アンリミデット
 予言します・・・・・・・
 迷い人達は旅を続ける。
 彼らが迷い込んだ場所、
 そして現れたのは黒き風の宿敵・・・・・・・

 その人は・・・・・・・・

 「魔剣士〜白銀のエチュード〜」

 次回もアンリミデットな導きを・・・・・・・・・・





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