異界の夜へようこそ・・・・・・
私はファーブラ、 導く者・・・・・・・・
解らない物に無闇に手を出してはいけません。
手を出してしまったら、
何が起こるか
解らないのですから・・・・・。


『キノコ〜てをだしてはいけないもの〜』


「・・・・・・・・・」
「雨」は森の中に居た。
この地はただ森が続いている
ヒトの集落が無い土地。
森の木々達が、降り注ぐ雨にかかり、
雨は全く濡れていない。
『ここでは ゆっくりできるな』
「雨」は心中で確信した。
「雨」にとっての休める場所は、ヒトがいない所だ。

だが

この森はあまりに道がややこしいので
「雨」は
『迷っちゃいましたv』
な状況である。
それに腹も減ってきた。
「・・・・・まいったな。」

とりあえずその辺をウロウロして、
なにか食べ物を探すことにした。

「雨」は知らない・・・・・・
森でウロウロするということは、
つまり『更に迷い込む』ということを・・・・・・・。

予想通り、「雨」は更に森へ迷い込み、
そして、食料を見つけた。
食料は・・・・・・・
『キノコ』である。
唯一食べられそうなのはこれしかなかった。
他には牙の生えた林檎や
手を出そうとすると角が出るなんとも不思議な果物など、
動物は・・・・・・・食べる気がしない。
『ココの生き物達は皆根性がある・・・・・・・・。』
「雨」はそう心に刻み込んだ。

早速創造術で火を起こし、
木の棒に刺したキノコを焼き始める。
キノコは
「さあ お食べなされ、私はとっても美味しいよ〜〜〜」
とでもいうかの如く 美味そうな感じがする。

何時の間にかこの匂いを嗅ぎ付けた動物達が集まっていた。
いい匂いだ。
その時、
「雨」は氣を感じ取る。
その氣はとてつもない勢いでこちらへ向かってくる。

一瞬だった。
木々達がなぎ倒され。
そしてとてつもないほど大きい怪物が現れた。
「フハハハハハ!!!! やっと見つけたぞ!! 暗灰の雨!!!」
その怪物の頭に勇ましく立っているのは
四凱将の一人、フングスだった。
しかし、怪物があまりに大きく、
巨漢を誇るフングスも小人に見える。
「見えん・・・・・・・。」
と「雨」がいうが、フングスには声が届かない。
「問答無用!! さぁ! 雨を倒せ我が部下よ!!!」
フングスが頭から飛び降り、そう怪物に命じると怪物は
勢い良くこちらに向かい「雨」に噛み付こうとする。
それをギリギリの所で避けると。
怪物はキノコを焼いていた焚き火に顔を突っ込んだ。
そしてその拍子にキノコは怪物の口の中へ・・・・・・・
「くそぅ!!うまく避けおって!どうした!!休まず続けろ!!!!」
しかし怪物は動かない。
すると、

怪物の体はみるみる小さくなっていくではないか。
「こ・・・これは!!」
フングスは驚きのあまり声が出ない。
「雨」も目の前で起きていることに
驚いていた。
やっと縮むのがおさまったかとおもうと、
怪物は、赤ん坊になっていた。
自分の目を疑うフングスと「雨」
そして森の動物達。

沈然が続く。

「さ・・・・・・さらばだ!!!」
フングスはパニックになり、
訳も分からずその場を立ち去った。
立ち去るフングスを見送りながら、
「雨」はこの可愛らしくなった怪物が
自分が焼いていたキノコを食べたのだと知り、
こう思った
『食べなくて良かった』と・・・・・・・。





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