「異界の過去へようこそ・・・。
 私はファーブラ、導く者・・・。
 彼は失った記憶を取り戻そうとする。
 しかしそれは悲しいもの・・・。
 何故なら彼は・・・。」


『戦人〜うしなわれしふぶきのきおく〜』


「吹雪・・・。貴様だけは許さない・・・。この手で貴様を葬り去ってやる。」
吹雪は見知らぬ場所にいた。
見知らぬ声が聞こえた。
「絶対に許さん。貴様だけはこの邪銃で・・・。」
何か黒っぽいものが吹雪を襲う。

「うわぁ〜!!」
・・・・・吹雪は夢を見ていた。
恐ろしい夢であった。
「以前にもこんな事があったような気がする・・・。」
吹雪はそんな事をしばらく考えていたがまた眠ってしまうのであった。

次の日の朝吹雪は日の出とともに起きた。
その日は雲一つ無い快晴の青空であった。
「気持ちの良い朝だ・・・。」
吹雪は独り言を言っていた。
と同時に何者かが吹雪目掛けて突っ込んできた。
吹雪はさっと避ける。
吹雪はその者に「初対面の者に向って何をする!」と怒鳴った。
その者は吹雪の顔を見てこう言った。
「何言ってんだ。吹雪」
吹雪はその言葉を聞いて思った。
この者は拙者の事を知っている。
そこで吹雪は「おぬし一体拙者の何なのだ?」と聞いてみた。
その者はあきれた様子でまた攻撃しようとしたが
「やめておけ・・・。」と言う何者かの声でやめた。
「おぬしは?」
吹雪は出て来た者に聞く。
その者は
「私の名は泡・・・海流の泡だ。バブルとも呼ばれているがな・・・
 それよりストーム!吹雪は何者かに封印されたせいで
 記憶喪失になっておるんだぞ!」と怒鳴った。
ストームはしばらく黙っていたが
「・・・そうだったのか。すまなかった吹雪。
 俺の名は嵐!旋風の嵐!ストームとも呼ばれている男さ!」
ストームはいばってそう言った。
「・・・おぬし達は拙者の事・・・拙者の過去の事を知っているのか?」
吹雪は二人に尋ねる。
バブルは「・・・それを知ってお前がきづつかぬなら・・・。」
吹雪の顔を見ながら真剣にそう言った。
「どういうことだ?」吹雪は聞いた。
ところがその時とてつもなく大きな爆発音。
3人は大急ぎでその音がした方へと向った。
なんとそこにいたのは怪物と言うより妖怪・・・そう妖怪がいたのだ。
ストームは「なんだ。雑魚だ。」そう言うと
「あらよっと!」と言って妖怪に蹴りを入れた。
妖怪は一発で消え去った。
それを見て吹雪は「おぬし・・・何故・・・」
どうやらストームの蹴りの威力の大きさに戸惑っているらしい。
「俺は格闘技が得意でね。その威力は以前は小さかったんだが
 妖怪の泉の水を頭からかぶりおまけに飲んでから足は速くなるし、
 威力はでかくなるし・・・っとおっとぉ〜!」
とストームが説明していると先程よりも大きくなった妖怪が姿を現した。
「今度は私の番だな・・・」
自身満々のバブル。
「はぁぁ〜!!!」
と気合をためて爪で妖怪を切り裂いた。
「ギシャ〜!!!」
妖怪は凄い悲鳴をあげて消えてしまった。
「・・・・・」
あまりの驚きに黙り込んでしまった吹雪にバブルは
「私もその泉の水を・・・飲みはしなかったが
 この『鉄爪』を誤って泉に落としてしまってね。
 それから切れ味が良くなり、凄い力がついたようなんだ・・・」
と説明していると同時にまたしても巨大化した妖怪が。
「お前・・・でかくなる事しか知らねぇのか?」
とストームはまたしても蹴りを入れたが
「いてぇ〜!」
返り討ちにされてしまった。
「どうなってんだ?さっきよりも強くなってやがる!」
ストームは屁理屈をこく。
「吹雪・・・おまえその妖刀の威力・・・知りたくないのか?」
バブルは吹雪に問う。
「・・・もちろん知りたい・・・」
吹雪はおどおどしながらも言った。
「ではこれを・・・」
バブルが渡したのは辞典のようなものであった。
「手始めに水の獣を呼び出してみろ。それの通りにやれば大丈夫だ。」
吹雪はしばらく悩んでいたがやがて「解った」と言い辞典を読み、妖刀を抜いた。
そして、「自然界にある水の力よ・・・」吹雪が唱え始めると妖刀が青く光り始めた。
「形を変え水の獣を作りたまえ!」
唱え終わると妖刀から鯨が飛び出した。
「!!!」
その妖怪はその獣の力で逆流した水に押し流されてしまった。
・・・・。しばらくの間沈黙が続いた。
「吹雪・・・今からお前の過去について話すからよく聞け・・・」
バブルが静かに言った。
「実は・・・お前は戦人だったんだ・・・お前は覚えていないだろうがやり方は酷かった。
 人を・・・その妖刀・・・今でこそ透き通っているが昔はとてつもなく汚れていた・・・
 お前が一番酷かったのは新月・・だった。
 逆に満月の日は酷くおとなしかった・・・。
 とにかく新月の日は要注意だ・・・私はこれで失礼する・・・。」
バブルはそれだけ言うと姿を消した。
「・・・お前・・・新月の日は驚くほど残酷な者になるから・・・
 俺も戻る・・・いいかくれぐれも気をつけろよ・・・」
ストームがいなくなり吹雪はしばらく黙り込んでしまった・・・。
(拙者が戦人?人をいっぱい斬ってしまったという事か?なんという酷い事を・・・)
吹雪はそのまま何かを考えていた・・・。

ファイナルファンタジー:アンリミテッド
「予言します。彼は自分の過去を知った。
 しかし、一番きては欲しくなかった日がきてしまう・・・。
 その日はとてつもなく危険な日なのです。
 新月〜そのこころがきえるとき〜次回もアンリミテッドの導きを・・・」




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