「異界の過去へようこそ・・・。
 私はファーブラ、導く者・・・。
 今日は吹雪にとって最悪の日・・・。
 何故なら今日は・・・。」


『新月〜そのこころがきえるとき〜』


吹雪はバブルとストームが去ってからしばらくの間、草むらの上で横になっていた。
バブルから貰った辞典を片手に持ち、横に自分の愛刀を置きながら・・・。
吹雪は辞典を読んでいた。
(この技は結構役に立ちそうだな・・・。)
吹雪は辞典を読みつつ技を習得していった。
そして最後のページを開けてみた。
そこには写真が貼ってあった。
その写真に写っているのは・・・吹雪と溶岩、バブルとストームであった。
しかもその顔が幼い。
(これは拙者が幼子の頃の写真のようだな・・・)
ふと吹雪は写真の端を見た。
林の方に何者かが写っている。
(誰だ?)
吹雪はそう思いながら写真に目を近づけた。
それは女の人だった。
髪は長くて紫で瞳は金。
とても豪華な着物を着た女性だった。
(この者にも何処かであったような気がする・・・)
吹雪はそう思ったが
(やはり思い出せぬ・・・)と苦悩するのが嫌になったので先程の事を思い出す事にした。
「新月だけは気をつけろ・・・か。一体どういうことなのだろう?」
吹雪はストームとバブルが言った言葉が気になっていた。
考えれば考えるほど不屈なのだ。
「・・・とにかくこうしていてどうしようもないのだから・・・」
吹雪は歩き出した。
何処へ行くかは分からない。
でもじっとしているよりはマシだと吹雪は思っていた。
吹雪は胸騒ぎがしていた。
今日、何か不吉な事が起こるような気がしていたのだ。
吹雪はふと立ち止まった。
(拙者は戦人だった・・・つまり人を・・・拙者に遣られた者達よ
 ・・・すまない・・・怒りを忘れ・・眠ってくれ・・・。)
そう心で念じると吹雪は下に落ちていた花を拾い
目の前にある木の根元に置き、手を合わせ祈った。
そんな時、妖刀が青く光った。
「貴様が吹雪か・・・。自然様の命によりお前を消す・・・。」
と言う声が聞こえ、吹雪は後ろから攻撃された。
「ウグッ」
その者の攻撃は頬をかすった。
吹雪は思った。
自然とは誰だ?何故その者は拙者のことを消そうとしているのだ?そこでその者に聞いてみた。
「何処に隠れているかは知らぬが自然とは誰の事だ?」
するとその者は「自然様の事・・・覚えておらんのか?」と吹雪に聞いた。
吹雪は「あぁ」とだけ言った。
そしていきなりその者が目の前に飛び出した。
吹雪は驚いた。
その者は目が3っつもあるのである。
しかも3匹もいたのだ。
「いい機会だ・・・。では教えてやろう・・・。
 自然様は人間に恨みを持ったお方だ・・・。お前を消そうとしている理由は・・・。」
その化け物の1匹はそこまで言うといったん空を見上げた。
「・・・まあ今日のうちに分かる事だがな・・・吹雪よ・・・覚悟しろ・・・。」
そう言うとその者達は何かを吐き出した。
「うわっ」
吹雪はとっさに避けた。
その液は地面につくと地面は色が変わり、変な煙が出てきた。
「グググ・・・それは毒の液だ・・・触れたものは何でも溶けるぞ・・・」
その化け物達は容赦なく吹雪目掛けて毒の液を放つ。
「3人がかりなんて卑怯だぞ」
吹雪は化け物たちに叫んだが化け物は聞かなかったふりをしてどんどん攻撃してくる。
吹雪はそれを何とか交わす。
しかし、「グワァア」なんと足を掠めてしまったのである。
吹雪はその場でこけた。
吹雪はふと空を見た。
もう夜であった。
しかも月が出ていない真っ暗な新月の夜だった。
(新月・・・!?)
吹雪はふとそう思うと急にめまいがした。
しかも凄い脈までしたのだ。

ドクンドクン・・・。

「うぅ・・・。」
吹雪は頭を抑えながら座り込んだ。
「これで終わりだ!」
化け物達が毒の液を放った。
毒の液は吹雪に命中・・・するとこだった。
しかし、吹雪はよけるどころか手で受け止めたのである。
「なっ何ぃ?」
化け物は慌てていた。
化け物は吹雪のほうも見た。吹雪はいつもと違っていた。
普段は青い目が赤くなっているのである。
「終わりなのはお前の方さ」
吹雪はそう言うと腰の妖刀を抜き化け物の前で振り下ろした。
「ギャ〜!!」
化け物の1匹は物凄い煙を出しながら消えてしまった。
さらに吹雪は「小癪な・・・グワァ!」2匹目も斬られた。
そして吹雪は3匹目も斬った。
「グワァァァ!・・・不覚・・・だが吹雪よ・・・
 自然様はおまえよりはるかに強いぞ・・」と言う言葉を残して。
吹雪は「ふん。屁理屈をこくな!」そして吹雪は妖刀を見て言った。
「・・・まだ青いな・・・。やりたりないってことか・・・。」
吹雪は崖の方へ行き、下を見下ろした。
「丁度良い所村があるな・・・。まずはあそこからやるか・・・。
 妖刀よ・・・もうすぐお前の願いを叶えてやるからな・・・。」
吹雪はそれだけ言うと妖刀をしっかりと手に持ち、人里向かって猛スピードで走り出した。
村の明かりだけを便りに・・・。
もう吹雪はあの何も覚えていない者ではなくなっていた。
そう吹雪はもう一つの・・・闇の心に支配されてしまったのである。

ファイナルファンタジー:アンリミテッド
「予言します。
 目覚めてしまった闇の心・・・
 だれか止められる者はいないの?
 その心は人をやる事と後もう一つ・・・
 あの事しか考えない・・・。

 妖刀〜それがあかくそまるとき〜

 次回もアンリミテッドの導きを・・・。」





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