此処はとある中学校の校庭・・・。
ここで・・・この物語の幕が開く・・・。


「もう!何をやってるのよ!優夜は!」
校庭で一人騒いでいるこの者こそこの物語のヒロイン・・・美月である・・・。
「FF:Uのビデオを貸してくれって言ったのは優夜なのに・・・」
屁理屈を扱いていたその時、
「お〜い!美月!すまん!」
と大声を上げてこっちに来る者こそ・・主人公の優夜である・・・。
「遅すぎ!もう一体何時間待たせたと思ってるの?」
話を聞いてて解るように二人は幼稚園からの幼なじみなのである・・・。
「あのさ・・・悪いけどビデオ・・・持ってきてくれない?
 ちょっと見せたい物があってさ・・・」
優夜がおどおど言うと
「・・・しょうがないわね・・・」
と美月は飽きれたように答えた。
「後さ、武器・・・になるような物と旅行に持って行くような物と
 食料を有りっ丈持って来てくれない?」
優夜が真剣に聞くので美月は「?良いけど・・・。」

しばらくして・・・。

「はい!お待ちかねのビデオ!」
二人はFF:Uにかなりはまっているのである・・・。
「おぉ〜!感謝する!」
優夜が喜ぶと「またでたね・・・雲の台詞・・・」と美月が突っ込みを入れた。
「それでさ、見せたい物って何?」
と美月が尋ねているのを裏腹に優夜はビデオをつけた。
「・・・」
沈黙が続きそうになったので
「でも残念だよね・・・。なんで終っちゃったんだろ・・・。」
美月が聞いているのにもかかわらず優夜は部屋を出て行った。
「あぁ〜!こらぁ〜!」
美月は優夜を追いかけ、外へと飛び出した。

「はぁはぁ・・・。まったく優夜の奴・・・何処に行っちゃったんだろ・・・」
美月がおろおろしていると、
「こっちだよ!」と林の方から声がした。
「!!!ちょっちょっとびっくりさせないでよ!」
美月が驚いていると優夜は林の近くにある神社まで美月を案内した。
「あれ・・・ここは・・・」
美月が驚くのもわけは無い。
其処は美月の引っ越す前の家なのだ。
「ちょっと見て!」
優夜が指差した方を見て美月はあっ!と声を上げそうになった。
見ると、見覚えがある穴が奥まで続いている。
「僕も驚いたんだけどね、この先に地下鉄が来るらしいんだ・・・」
優夜が説明すると「地下鉄ってあの・・・異界に行く・・・」
美月が聞き返すと「そうだよ!」と優夜が優しく答えた。
すると突然美月が優夜の頬を抓った。
「いたっ!何をするんだい!」
「嘘っ!夢じゃない!本当にあの・・・風や雲のいる異界へ行けるのね!」
美月は大喜びではしゃぎ回った。
「じゃあ、今日から私の事、虹って呼んで!」
美月がいきなり言い出したので優夜は「何で?」と聞いた。
「今日から私の名は虹!癒しの虹よ!」とはっきりと言った。
「じゃあ、僕は欠片・・・と呼んでくれよ!」
優夜が言うと美月はお腹を抱えて笑い出した。
「欠片!変な名前!」
「・・・今日から僕は灯火の欠片!いいね?・・・虹」
優夜がちょっと照れ臭そうに言った。
「えぇ!もちろんよ!欠片!」
「ところで君は何を持ってきたんだい?僕はさっきから気になってたんだけど・・・」
優夜が聞くと「え〜っとまず虫除けに召喚獣図鑑に・・・・」
美月・・・いや、失礼。
虹がそう言うと欠片が「武器は?」と尋ねた。
「よく解らないんだけど・・・先祖代代から伝わるこの水晶球・・を持ってきたの」
と虹がその水晶球を見せるとそれは弓の姿に変わった。
それを見て優夜・・・失敬。
欠片が「これは結構使えるよ」と言った。
「ところで優夜・・じゃなかった欠片は?」と虹が聞くと
「僕はこれだよ!」と言って腰に差してあった刀らしきものを抜いた。
「キャッ!危ないじゃない!」
虹が激怒していると
「これは青龍刀と言う宝物さ!」と欠片は説明した。
「さて、そろそろ地下鉄が来るだろう・・・
 美月・・・この名前を異界へ行くまではまだ名乗っていないかい?」
と欠片が尋ねると
「・・・そうね・・・あっちの世界ではもう呼ばれ無くなるだろうし
 ・・・いいよ!優夜!」
と美月も納得した。
二人は大急ぎで階段を下りて行った。
丁度その時、ギュイーンと言う音が聞こえたかと思うと地下鉄がこっちへやって来た。
「優夜・・でもこの現実世界には闇の柱は無いのにどうやって行くの?」
美月が質問すると
「だから・・・普通よりは時間がかかるけど・・・」
優夜はもうすでに地下鉄に乗っていた。
「あ!待ってよ!」
美月が乗ると同時に地下鉄の扉は閉まり、発車した。
「いよいよだね・・・」
二人はお互いの顔を見ると眠りにつくのだった。

「次回は 異界〜やみのせかい〜です。
 そのときにまたお会いしましょう・・・」




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