「異界・・・。
 現実世界では存在していないと思われていた世界・・・。
 しかし、彼らはそんな異界への一歩を踏み入れたのです。」

異界〜やみのせかい〜

地下鉄は地下からだんだんと異次元空間のトンネルへと変わっていく。
「あぁ〜!良く寝た!」
そんな中、真っ先に目を覚ましたのは虹。
「わぁ〜!すっごい!こっちの世界からでも行けたんだ。」
虹は外を見ながら感動していた。
「ほら、優・・・じゃなかった・・・欠片も見てみてよ!」
「う〜ん・・・。後5分・・・。」
欠片は寝言を言っていたが、次の瞬間パッと起きた。
「!どうしたの?」
虹は欠片の態度の急変に異変を感じた。
「何か・・・来る!」
二人の乗っている地下鉄の前に現れたのは何と貝の館。
「何でこれが・・・。」
その中には彼女が居た。
「異界へようこそ・・・。」
ファーブラはにこやかに欠片達を迎えた。
「何故此処に?」
欠片は気が動転していた。
「貴方方は現実世界からやってきたのですね?」
「そうだが・・・。」
欠片が虹の代わりに答えた。
「・・・今から貴方方の・・・世界の記憶を全て消します・・・。」
ファーブラは落ち着いた様子で言った。
「はぁ〜?冗談じゃないわ!どうして異界へ着ただけなのに
 現実世界で過ごした記憶を消されなきゃならないわけ?!」
虹は叫んだ。
「こちらの世界で貴方達が現実世界から来た事を誰かに知られたら・・・
 貴方達は二度と元の世界には帰れなくなりますよ。」
ファーブラは顔つきを変えずに落ち着いていた。
「・・・。」
二人は黙り込んでしまった。
「・・・仕方が無い・・・僕はそれでも良い。」
欠片は決心した。
「・・・・・。」
虹は一回だけ頷いた。
「決まりですね。」
ファーブラがにこりと微笑むと眩しい光が二人を包んだ。

「クェ〜!」
二人が起きると目の前に黄色いチョコボが居た。
「お兄さん達、起きたんだね。」
見るとそこには欠片達より5〜6歳年下の少年がいた。
その少年は視線に気づいたらしく
「あっ。僕はユウ!で、この子がチョビ。お兄さん達は?」と丁寧に挨拶した。
「あ・・あぁ・・・僕は灯火の欠片。欠片で良いよ。こっちが。」
欠片は虹に合図した。
「癒しの虹よ。虹って呼んでね。」
まもなく、地下鉄が停車した。
「あっちにお姉ちゃん達が居るよ。」
ユウは欠片達を地下鉄の出入り口まで連れて行った。

「と言う訳で・・・。」
欠片はさすがは高校生と言うような口調で今までの事を全てリサとアイに語った。
「そう・・・。あ・・・私はリサ。」
リサに続けてアイが「あたしはアイ。」と元気良く言った。
その時だった。
上空に飛空挺が居た。
その飛空挺はクリスタルをこちらへ目掛けて放った。
そこからモンスターが現れる。
「あれは・・・。」
虹はとっさに召喚獣・モンスター図鑑を出した。
「あれはアダマンタイマイよ!」
それはまさしく、岩のようであった。
「・・・リサ・・あんなんじゃ氣現術効かないんじゃ・・・。」
ユウが心配そうにリサの顔を眺めた。
「とにかく逃げろぉ〜!」
アイはユウとリサを引っ張った。
リサが後ろを向いた時、欠片と虹はそれぞれ構えていた。
「ここは任せて下さい。」
そう言うと欠片は「隼の恐ろしさを見るが良い・・・。ヘイスト!」
思いっきり青龍刀を振った。
続けて虹が「水の力・・・得と信ぜよ!ウォータ!」
すると虹の手から勢い良く水が噴出し、アダマンタイマイに命中。
さらに、欠片が放った魔法も命中し、モンスターは倒れた。
「すっすごい・・・。」
ユウはその威力に息を飲んだ。
しかし、モンスターは再生してしまった。
「ヤバゲェ〜!」
アイがそう弱音を吐いたが、ユウはある人影に気づいた。
「風!」
その途端、風の魔銃が起動した。
「動いた・・・。ソイル!我が力!」
魔銃が組み立てられていく・・・。
「魔銃!解凍!」魔銃が姿を現す。
「お前に相応しいソイルは決まった。」
風はアダマンタイマイを指差し宣言した。
「全てを押し流す、オーシャンブルー!
 全てを打ち砕く、ガイアブラウン!
 そして全てを切り裂く、エアロブラック!」
風は一気に3つのソイルを魔銃に投入した。
「破壊しろ!召喚獣!セフィアライズト!」
風の魔銃からは青い龍が姿を現した。
龍がモンスターにぶつかるとそのモンスターは砕け散った。
風は何処かに消えていた。

「破壊神・・・黒き風・・・。
 その者と同じ力を持つものが・・・
 迷い人達の前に姿を現そうとしている・・・。
 魔鉄砲〜くろいこうというもの〜
 それではまた・・・。」




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