「新たな出遭いの時・・・。
 彼は別名黒い大鳥。
 そんな彼が迷い人達の前に姿を現す・・・。」

魔鉄砲〜くろいこうというもの〜

辺りは静かだった。
先程まで戦闘があったとも思えないほどに。
「い・・今のって・・・。」
欠片はドキドキしていた。
「黒き風?」
虹が驚いた様子でその一言。
ふと一行が見たのは崖の上。
そこには黒き風らしき人影があった。
「風だ!」
ユウが真っ先に叫んだ。
それと同時にチョビはシエルに変身。
風が居る崖の上へと舞い上がった。
崖の上はまるで植物畑。花一面だった。
「あっ風。」
ユウが風を見つけ、名を叫ぶ。
「でも、何か違くない?」
アイは風とは思わないようだ。
確かにユウ達の前にいる風は背が少し低く、髪形も違うし、お前に魔銃のような物は見えない。
するとその者が何処かへ行ってしまいそうになり、
ユウは「待って!風!」と風の元へと走っていった。その者は振り返った。
「ん?誰か俺の事呼んだ?」
ユウはとっさに「すみません・・・人違いでした。」と誤る。
その者はいきなり大声で話し始めた。
「おぉ〜!人だぁ〜!異界に着てからちゃんとした人には遭ってねぇんだ!
 いやぁ〜!まさかこんな奇妙な所で!」
その者は大喜びしていたが、5人と1匹は目を丸くしていた。
「そういやまだ俺の名前教えてなかったな。俺は凰!黒い凰だ!」
凰といった者は物凄くはしゃいでいた。
まるでその姿は子供のようだった。
「この人、大丈夫?」
アイが不審そうにリサに尋ねた。
「別に危険な『氣』は感じられないし・・・きっと大丈夫よ。」
「ねぇ。凰。僕達お父さんとお母さんを捜してるんだけど見なかった?」
凰は首を傾げた。
「・・・見てねぇ。」とだけ言った。
「そう・・・。」二人は残念がった。
「でも、もしかしたら君たちのお父さんとお母さんが居なくなった原因は
 伯爵に関わっているかもしれない・・・。」
凰はさっきとは違って真剣な眼差しでアイとユウに言った。
「あっ、それと俺からも一つ・・・フォスキアって奴見かけなかったか?俺の友達なんだけど・・。」
5人は黙っていた。
「そうか。フォスキアって言う奴は髪が紺色で目も紺色、魔矛って武器の使い手だ。
 見つけたら俺が捜してた。とだけ伝えといてもらえねぇか?」
3人はコクコクと頷いた。
ふとユウの目にある物が止まる。
「それって・・・。」ユウは凰の右腕を覆っている筒のようなものを指差した。
「あぁ。これか。これは魔鉄砲と言うんだ。まぁ何とも不思議な鉄砲でね。」
凰の説明が終わるとユウは「風のと似てる・・・。」とボソッはいた。
「!風に遭ったのか!」
その途端、凰の態度が変わった。
「風を知ってるの?」
ユウが尋ねると凰は興奮したように話し出した。
「知ってる、知り合いなんてもんじゃねぇ。風は・・・俺と同じ世界で育ったんだ。
 俺と風は銃の腕に掛けちゃ1,2を争うところだったのさ。
 だが、それが決まる前に俺はその・・・世界から姿を消した。」
「何で?」
双子が凰の話を真剣に聞きながら言った。
「それはだな・・・。」
凰が続きを話そうとした時物凄い音がした。
見るとそこには茸の軍団が居た。
「四凱将のお出ましか。」
凰が待ってましたと言うような声を出した。
「黒き風よ!ここで遭ったが百年目だ!この間のかりをかえしにきた!覚悟はいいな!」
そう、フングスだった。
凰はそれを聞くと残念がった。
「何で皆俺を風と間違えるのかなぁ〜。」
フングスはそれを聞くと「何ぃ〜。」と言って凰の事を良く見た。
「確かに・・・黒き風ではないようだ。貴様、何者だ。」
凰はレイガンを取り出し、手下のモンスターを撃ちまくった。
「だったら教えてやるよ!俺は風を超える男・・・黒い凰だ!」
凰はモンスターを撃つ。
しかし、きりが無いのだ。
「残念だったな。黒い凰よ。某の手下は何度でも生き返るのだ。ちなみに某は不死身の体なのだ。」
フングスは自分の勝利を認めたのか、笑い出した。
すると凰はレイガンを閉まった。
「凰!戦ってよ!」
ユウが必死に怒鳴る。すると魔鉄砲の宝石の部分が赤く光った。
「大丈夫だぜ。ユウ!心配すんな!俺にはまだこれが残ってる!」
凰は魔鉄砲を構えた。
そして、「ソイル!我が力!」と風と全く同じことを言ったのだ。
すると、風とは違って二枚のブレードが出て来た。
そして筒のような物が伸び立派な銃になった。
「魔鉄砲!解凍!」そこまでは風と一緒だった。
「おめぇに相応しいソイルは決まった!
 全てを破壊するメテオブラック!(破壊の黒)
 蹴散らせ!召喚獣!ディストロイヤ!」
魔鉄砲から一つの黒い光が放たれる。
そこから恐ろしいほど恐い化け物のような獣が現れ、全てを消し飛ばした。
フングスの手下は全てやられたが、フングスはバリアのような物に守られた。
黒い凰は爆発と共に消えていた。

「彼は・・・黒い凰の最愛の友・・・。
 次回魔矛〜こんはくのプレアデス〜
 それでは・・・。」





[PR]動画