「迷い人たちは・・・
 また新たな出会いをする・・・。
 彼は・・・魔矛の使い手・・・。」

魔矛〜こんはくのプレアデス〜

「何故邪魔をした!某は不死身なのだぞ!それは貴様も知っておるだろう!」
ここは空の上。
そこで一人小さくなった者が泡の中で動いていた。
「五月蝿い・・・。たとえ貴様が不死身の体だったとしてもあの攻撃をくらっていたら、
 貴様は・・・終わっていた。それと・・・伯爵様の命令だからな・・・。」
白いマントを靡かせた赤い目の少年がそう言った。
「貴様こそ黙れ!魔将士!」
そこに一つの影があった。
「フフフ・・・。君達、仲が良いんですね。」
そこには水色の長髪の少年が居た。
「誰だ?貴様・・・。」
魔将士が尋ねた。
「なぁに。通りすがりの者ですけど一応名乗っておきますか。
 私の名は青き星。まぁ催眠術師でも良いですけど。」
その青年はニコニコ微笑むと
「さぁて。そろそろ帰らないとケルネス様に叱られてしまいますから、これで失礼しますね。」
そう言って消えた。
「何だったんだ?」
魔将士は少し首を傾げた。

「ん・・・。」
5人は同時に目を覚ました。
「凰がいない・・・。」
ユウが辺りを見回した。
「なんかあのおじさんみたい・・・。」
アイが続けていった。
「話が途中で終わってたのに・・・。また遭えるかなぁ。」
欠片は平凡な表情だった。
「何か全然心配してないわね。」
虹が怪しそうに欠片を見た。
「しっかしまぁ・・・花だらけだなぁ。ここは。」
実はこの5人、凰の攻撃が原因で開いた穴に落ちたのである。
すると、後ろから変わったモノが現れ,アイのリュック(ポシェポケ)を奪っていってしまった。
「あぁ〜!こらっ!待て〜!」
それは猛スピードで逃げた。
「でかした。さっ、逃げるぞ。」
どうやら二人組みのようだ。
「こらぁ〜!ポシェポケ返せぇ〜!」
アイは一人でポシェポケを取り返しに行ってしまった。
「お姉ちゃん!一人じゃ危ないよ!」
ユウの警告も聞かずにアイは何処かへ行ってしまった。
ちょうどその時,アイがこちらへ戻ってきたのだ。
「アイ!」
4人がほっとしたのもつかの間,ふとアイの後ろを見るとモンスターが居た。
「ひぇ〜!!!」
5人と1匹は逃げ回った。
その時だった。大きな剣がモンスターを切り裂いたのだ。
「大丈夫ですか?」
その少年は凰が捜していた少年の特徴にピタリと当てはまった。
紺色の髪と目・・・そして何よりも証明しているのが手に持っている魔矛だ。
「はっはい・・・。」
5人と1匹はその魔矛の華麗な裁きに見とれていた。
「良かった・・・。先程こちらに銀色の魔鉄砲使いが現れたようですが・・・もうここには居ないようですね・・・。」
フォスキアはため息をそっとついた。
「あの・・・魔鉄砲使いってもしかして・・・凰の事?」
ユウが気になりがちにフォスキアに尋ねた。
「はい。僕達は故郷壊滅の原因を探る為に異界へやってきたんですけど・・・。途中ではぐれてしまったんです。」
フォスキアは少し悲しがっていた。
その時だった。
6人の周りは草のモンスターに囲まれていた。
「あら〜ん。見事な獲物がひっかっかたわねぇ。」
そこには5人の想像通りの人物が居た。
四凱将の一人,ヘルバが居た。
「でも、つまらないわねぇ〜ん。魔銃ちゃんも、もう一人の魔鉄砲ちゃんもいないじゃない。」
ヘルバは一人の名を言い忘れていた。
「皆さん、少し下がっていてください。危険ですから。」
フォスキアはそう言うと、魔矛を上にした。
そして、腰の魔剣士の持っていたようなビンより一回り小さいビンに手を伸ばした。
(一体何をする気かしら?)
リサは不審に思っていた。
「なぁにぃ〜。それ。魔剣士ちゃんの真似でもしてるの〜。」
ヘルバは傘を片手にクスクスと笑った。
「・・・僕も・・・白い雲と同じ世界で育ってるんです・・・。」
フォスキアはそう言うとビンを取り出した。
「ロードが作る古代の形に導かれ・・・。」
何となく魔剣士に似ていた。
「砕け散り・・・跡形も無くなれ!」
さらに、フォスキアはそれを高く投げた。
そこまでは全く一緒だった。
しかし、そこからが違った。
ビンからは紺色の粉のような物が降り注いだ。
そして、魔矛に吸収された。
フォスキアは「紺白のプレアデス!」と叫んだ。
と同時に魔矛をくるっと回した。
すると、物凄い光が放射した。
そこから、星座のような巨大な鮫が姿を現した。
そう、まさに『プレアデス』だった。
鮫はモンスター達を粉々に砕くと風や凰の召喚獣と同じように姿を消した。
そして、フォスキアは5人に何かを語るとその場を去って行った。

「ポシェポケを追って、5人は再びコモディーンと再会する・・・
 そこで待っていた者は・・・。
 次回怪盗〜つきのかげのどろぼう〜
 それでは・・・。」





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