「迷い人達は再会と同時に・・・
 また新たな出会いをする・・・。
 それは・・・。」

怪盗〜つきのかげのどろぼう〜

辺りは本当に跡形も無くなっていた・・・。
静けさだけが広がっていた・・・。
「あたたた・・・。最近どうも・・・。」
虹は不機嫌だった。
「あっ。そうだ、ポシェポケ取り返さなくちゃ!」
アイがそう言った途端,地面がガタガタと言い始めた。
「ん?」
5人はその場に集中した。
すると、地面が少し外れ,中から5人の考え通りの人物が居た。
「ファ・・・ファンゴぉ〜!」
アイはつい、叫んでしまった。
「お前らか。久しぶりだな。」
ファンゴは馴れ馴れしくもあいさつした。
「あたしのポシェポケ見なかった?」
アイはファンゴに尋ねた。
「あぁ〜。あれかぁ〜。案内してやるからついてきな。」
そう言うとファンゴは階段をスタスタと下りて行った。

ついたのはやはりコモディーンの基地。
そこにポシェポケはいた。
「ポシェポケ!」
アイは安心したようだ。
そこでユウが言った。
「じゃあ、さっきポシェポケを盗んで行ったのって・・・。」
アイもピンときた。
「ファンゴ?」
アイが目を向けた。
「命令されたんだよ。」
ファンゴはそう言った。
「命令されたって一体誰に?」
2人は尋ねた。ファンゴは指をさし、こう言った。
「あいつだよ。」
2人は言われた方に目をやった。
そこには深い紺色のマントをした人が居た。
「ちょっとあんた!一体これは何のつもり!」
アイはその者に向って説教をした。
「・・・・・。」
その者はただ黙っていた。
「ちょっと!」
アイが何かを言いかけた瞬間,ミィレスがやってきてこう言った。
「彼女はこの組織のスパイなんだよ。元、かい・・・。」
そこでミィレスは後は彼女に任せてアイをつれて何処かへ行った。
「あの〜。」
残されたユウは何を話したら良いのか解らなく,混乱していた。
「・・・私は青い月影だ・・・。怪盗をやっていた・・・。もっと過去の話だがな・・・。」
月影は始めて口を開いた。
宝石の填まった物を頭に付け,スカーフを巻いていた。
「あっ・・・僕はユウ・・・。」
ユウは少しびっくりしたようだ。
「・・・黒い凰と黒き風があそこに居る・・・。」
月影指を差した。凰は風にけんかを売っているようだった。
「凰・・・。」
ユウが少し飽きれつつも風たちの元へとやってきた。
「ユウじゃねぇか。久しぶりだな。フォスキアには会ったか?」
凰は相変わらず無邪気な顔付きだった。
「うん。会った事は会ったんだけど,すぐに去っちゃったんだ。凰にはこう伝えて欲しいって・・・。」
ユウは思い出しつついった。
「フォスキアは『僕達の目指す場所は同じなのだから、必ず何処かで出会える』って。」
凰は苦笑いをした。
「相変わらず、おませな奴だなぁ。まぁいいや。ユウありがとな!」
凰はにっこり笑った。
隣の風は二人の様子を見ているだけだった。
「そういや、風。おめえも相変わらずだよな。無口なのは!」
凰の声は基地の隅々まで響いていた。
そこへ天才発明家のシドがやってきた。
「皆さんお知りあいですか?」
シドは不思議そうに二人を見ていた。
「同じ世界の幼なじみらしいよ。」
ユウが変わりに答えた。
「そうそう、最近この辺りにあるエネルギー物質を食い荒らす怪物が出没しているそうです。
 お陰で僕らも酷い目にあいましたよ。」
シドがため息をつきながら話していると突然、ナーブが「シド!出たぞ!出動だ!」と声を張り上げた。
「噂をすれば・・・だ。」
凰は立ち上がった。
「行くぜ!風!」
凰の掛け声と共に風も立ち上がった。
その時,壁を壊してその怪物が乗り込んできた。
しかも、すごい大きさだった。
「コモディーン!戦闘態勢をとれ!」
ナーブの指揮と同時に皆,それぞれの配置についた。
吹き矢を構え・・・そして、撃った。
見事に命中したが,何と怪物はそれを食べてしまったのである。
さすがに、全員呆然・・・。
そこで凰が先頭にたった。
「俺たちの出番だ!」
しかし、凰は怪物にふっ飛ばされた。
さらには、壁にぶつかった。
その時だ。
月影が自分から前に出たのだ。
そして、首からさげている青い珠を手に持った。
そして、こう言った。
「アワル!今、見せしめ!」
風や凰とは全く違った。
それは、光を放ち,長刀になった。
「神刀!覚醒!」
そして、腰の袋からビーズのような物を取り出した。
「我が故郷の川の流れ・・・太陽の恵み・・・土の力・・・。」
その言葉と同時に水色,黄金、茶色のビーズを入れた。
「今こそ,その姿現せ!シュランケオステン!」
長刀を大きく振ると、3つの光が放たれた。
そして、大蛇となった。
大蛇は怪物に巻きついた。
「今だ。黒い凰!黒き風!」
月影は夢中で叫んだ。
「おっしゃ!行くぜ!」
凰と風は魔鉄砲と魔銃をそれぞれ構えた。
「ソイル!我が力!」
二人は同時に叫んだ。
ブレードが伸び、回転した。
「魔鉄砲!解凍!」
凰が言った後,続けて風が、「魔銃!解凍!」と言った。
「お前に相応しいソイルは決まった!」
二人は息ピッタリだ。
まず始めに凰がソイルを投入した。
「全てを包み込む,ライトイエロー!(光の黄色)」
凰は光り輝く黄色のソイルを投入した。
「痺れさせろ!召喚獣!ライシンデン!」
凰の魔鉄砲からはアンコウのような獣が飛び出した。
次に風が
「全てを打ち消す闇,ダークグレー!
 鋼をも切り裂く、ストームグリーン!そして、全てを飲み込むコバルトブルー!」
一気にソイルを投入した。
「押し流せ!召喚獣!ザーフィア!」
風の魔銃からは狼のような獣が飛び出した。
2匹の獣は怪物に突っ込んだ。
見事に撃破した。

騒ぎが治まった頃には風と凰はいなくなっており、双子たちは旅立った後だった。
「・・・行ったか・・・。」
月影は目を閉じたままそう言った。
そして、近くにいたミィレスにこう言った。
「・・・私もそろそろ人を捜しに行く・・・。世話になったな・・・ではさらばだ・・・。」
月影も行方をくらました。
彼女の捜し人とは一体・・・?

「過去に怪盗と呼ばれた月影・・・。
 彼女の過去を知る人物がとんでもない事を仕出かす・・・。
 次回魔刃刀〜しゅりょうとよばれたおとこ〜
 それでは・・・。」





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