「彼の心は、過去とは変わってしまった・・・。 その人物とは・・・。」 魔刃刀〜しゅりょうとよばれたおとこ〜 ここはとある村の外れ・・・。 そこには何かの軍隊が集まっていた。 「皆の衆、気を付けるのだぞ!我々も気を引き締めんと悪霊・・・化け物にやられる・・・。」 最近この辺りには、恐ろしい人殺しが現れる事で有名だった。 彼らはそれを退治しにきたのだった。 そんな彼らの前に人影が見えた。 「何奴!」 軍隊の一人が叫んだ。 「ん?何かおっしゃいました?」 その者は最近の者にしては変わった格好だ。 何せ着物なのだ。 「これ、貴様。無礼だぞ。」 ある者がそう言った。 「へぇ・・・軍隊か。懐かしいなぁ。俺も昔は軍隊の首領だったからなぁ・・・。 そうそう、最近この辺りに怪しい奴が出没してるらしいですね。」 その者は何ともまあ馴れ馴れしく話し掛けてきた。 しかし次の瞬間、刃のような物が飛んできたと思ったら,軍人を切り裂いた。 「なっ・・・。」 皆、愕然とした。 「俺がそうだって!」 その者は表情を変えずに刀をぶんぶんと振り回した。 軍隊は逃げていった。 「・・・つまんねぇ・・・。」 その時、青年の後ろで足音がした。 「蒼穹・・・やはり、貴様・・・。」 月影だった。 何やら神妙そうな顔付きだ。 「よぉ。月影・・・。久しぶりだな・・・あの日以来か・・・。」 蒼穹と言われたその青年は月影に話し掛けた。 「何故・・・遣った?」 月影は先程の事を聞いているようだ。 蒼穹は刀をしまった。 「なぁ・・・月影。俺達の世界は混沌って言うのが原因で滅んだって噂があったの知ってるか?」 「もちろん・・・知っている。」 月影は警戒心を高めた。 いくら,以前の仲間だったとしてもこんなにも性格が変わっているのだ。 警戒しない方が可笑しい。 「あれな、混沌の他にも原因があったらしいぜ。」 蒼穹はボケーとしたような感じだ。 「もう一つの原因?」 月影は始めて興味を標した。 「あぁ・・・幻世界と言う俺達の居た、パシュフィックリアの近くにある世界に住んでた 名の有名な悪魔が俺達の世界・・・だけじゃなく、全世界の『力』を狙っていたらしい・・・。」 蒼穹の目つきが急に真剣になった。 「それぞれの土地に眠る力・・・。」 月影もようやく理解した。 「そうらしいぜ。 そいつらが混沌同様,世界丸ごといただこうって事だったらしい・・・。ほとんどの世界がその犠牲だ・・・。」 「ではさっきのは?」 月影やはり気になるらしい。 確かに、彼は元、軍隊の首領で戦はしょっちゅうだった。 しかし、それはもう過ぎた事だ。 「・・・奴の手先だ。その悪魔の・・・。」 月影はその答えを聞いて安心した。 その様子をみて蒼穹はこう言った。 「俺は・・・言っとくが、何も変わっちゃいないぜ。」 月影は地べたに座り込んだ。 「本当か?」 月影は恐る恐る尋ねてみた。 「あぁ。もちろんだ!それと、お前への気持ちも変わってないぜ!」 月影はドキッとした。 「・・・蒼穹・・・。」 蒼穹は「何だ?嬉しくないのかよ?」と微笑みながら話し掛けた。 「いや、そうじゃなくて、あそこにいるの・・・弟の蒼潤じゃないか?」 月影はその方角へカードを向けた。その通りだった。 「兄貴ぃ〜!」 蒼潤は凄い速さでこちらへと走ってきた。 「一体、どうしたんだ?」 蒼穹は反応良く、蒼潤の目線に立った。 「変な奴らに俺の邪刃刀、奪われちまった!」 その時,先程やられかけた軍人達がこちらへやってきた。 「貴様,魔の使いの者だな!この刀を返して欲しかったら,武器を捨てろ!」 蒼穹は顔をしかめた。 「ちっ。しょうがねえな。」 そう言って潔く、刀を捨てたのだ。 「ちょっと、蒼穹!そんな事したら・・・。」 月影は心配そうに刀を眺めた。 「心配すんな。月影。」 軍人はそれを見届けるとそれを拾った。 「よぅし。こっちへ来い。」 蒼穹はゆっくりと向った。 しかし、突然凄い速さで走ると邪刃刀を持った者に殴りかかったさらに蹴り飛ばした。 「うわぁ。」 そいつは驚いて刀を落としてしまった。 蒼穹はそれを拾い,蒼潤に投げた。 「ほらよ!」 しかし、蒼穹の刀はまだ敵の手だ。 「はははっは・・・。馬鹿な奴め!」 蒼穹は慌てずに刀の名を叫んだ。 「魔刃刀!」 すると、刀は敵を押しのけ、蒼穹の元へ飛んできた。 「よしっ。やるか。」 「解ったぜ!兄貴!」 二人は刀を構えた。 「疾風界燐!」「暴風幻挫!」 二人は技を放った。 一つは疾風、一つは暴風となり、襲い掛かった。 敵軍は全滅だ。しかし、大将が残っていた。 「くっくぅ〜。」 その時不思議な声が敵の耳に響いた。 「お前はもう用済みだ・・・。」と。 そして、そいつは自爆した。 蒼潤は思いっきりジャンプした。 蒼穹は月影を救い出すと、自分も逃げた。 「終わったか・・・。」 蒼穹は安心していた・・・。 その時,ある双子の姿を目にした。 双子は奇妙な入り口に入っていった。 しかしそこは化け物の住処であった・・・。 「伯爵に仕える、四凱将・・・ もう一つの使いが・・・今、動き出す・・・。 次回四戦将〜のぞみをもつもの〜 それでは・・・。」 |