「神聖界の夜明へ良くぞ参った。
 わしは大神。
 神を支える神じゃ。
 神剣のある神殿に飛ばされてしまった真空。
 そこで真空は見てはいけない者を目にしてしまうのじゃ。
 とにかく、神剣を台座から抜かん事には話にならん。
 真空抜け!この剣を・・・。」

神剣〜かみなるつるぎ〜

「いててて・・・。全くおじいさ・・・・じゃなくて長も乱暴だな・・・。一体僕に何をさせる気だろう。」
真空は辺りを見回していた。
そこで真空はあの白い龍が目を回しているのに気づいた。
「大丈夫か?」
真空はそっと龍に話し掛けると龍は起き上がって
「キュ〜!キュ〜!」と鳴き出した。
「・・・何言ってるのかサッパリ解らないな・・・。まだあれは残っていたかな・・・。」
真空は持ってきたリュックに手を入れた。
「あった!」
真空は飴玉のような物を龍に差し出し、「食べろ。」と言った。
龍は不審そうに見ていたがやがて飴玉を口に入れた。
「結構いけるね。これ。」
すると不思議な事に龍が人の言葉を話し出したのだ。
真空は「お前・・・何て言うんだ?」と龍に尋ねた。
「名前・・・?僕、名前なんて無いよ・・・。」
龍が少し悲しそうな顔をしたので真空は「お前・・・特技とかあるか?」と再び尋ねた。
「特技・・・?あるよ!僕、凍らせる事が出来るの!」と元気よく言った。
「それなら・・・氷龍だな・・・。」
真空はそう一言話した。
「氷龍?それが僕の名前?」
氷龍は真空に尋ねた。
「そうだ・・・。」
真空はそれだけ言うとバンダナを頭に巻いた。
そして
「僕の名は真空・・・。今日からお前も僕の友達だ・・・。」
氷龍は『友達』という言葉を聞いただけで喜んだ。
「さて、そろそろ行くか。」
二人は神殿へと入って行った。
そんな様子を怪しげな人影が見ていた。

真空は色々な事を考えていた。
そんな事をしていると神剣が刺さっている台座の前まで来た。
「これが・・・。」
真空は何かの緊張感に押し潰されそうになった。
真空が手を伸ばした時「その剣はあたしが頂くよ!」と言う声がした。
「誰だ!」
真空は氷龍を後ろに隠した。
そして、そいつは姿を現した。
「ふ〜ん・・・。随分と立派になったもんだねぇ。あの幼い頃とは大違いだよ。」
「!」
真空は何かを感じた。
とても嫌な物を・・・。
「・・・貴様・・まさか!」
真空は息を呑んだ。
「そう、あんたの想像通りさ。」
「地異・・・。」
真空の様子が変わった。
「あの時、姉さんに倒された筈・・・。」
真空は衝撃的なものにうたれた。
「確かにあの時は天空に遣られたさ。でも、現にこうして甦ってるんだ。」
地異はニヤつきながら言った。
真空が混乱していた時だった。
「でもお前なんかにあの剣は抜けないよ。あの剣は使い手を選ぶんだからな!」
それを聞いた地異は
「・・・面白い・・・。真空こう言うのはどうだ?
 あたしも甦ったのはつい最近の事だ。今すぐあっちへは戻りたくは無い。
 ならば神剣を抜いた者を勝者としようじゃないか。」
そう言うと地異は神剣の方へと向った。
地異が神剣に触れようとした瞬間、バチッと結界に拒まれた。
「・・・・・。」
地異がぼんやり突っ立っていると氷龍が
「ほら真空!やっぱり奴には抜けなかったよ!真空なら抜けるよ!さあ!勇気を出して!」
真空を台座の方へと押し出した。
「・・・姉さん・・・力をかして下さい!」
真空は思い切って神剣をひっぱった。
するとあっさりと抜けたのだ。
すると単なる石の剣はしっかりとした剣になった。
「・・・僕が選ばれた・・・?」
真空は驚きのあまりそれしか言えなかった。
「くっ!」
地異は力をため始めていた。
「約束が違うよ!」
氷龍が訴えると真空は手にした神剣を構えた。
そんな緊迫の状態の中男性の声が聞こえた。
「・・・負けは負けだ。いい加減認めろ。」
すると地異は「・・・運のいい奴だ・・・。今度遭った時は容赦しないよ。」と言って逃げていった。
真空は柱の影に潜んでいる者に「誰だ?」と尋ねた。
そいつはゆっくりとこう言った。
「・・・俺の名は剣(つるぎ)。サラマンダーとも呼ばれている・・・。
 真空とか言ったか。縁があったらまた会おう。」
剣と名乗った青年はそう言うと消えてしまった。
「・・・何だったんだろ。あいつら。」
氷龍が不審そうに眺めながら言った。
そして真空の方を見ると真空は「・・・姉さん・・・。」泣いていた。
「真空・・・。」
氷龍が心配そうに見ている。
「・・・・・氷龍・・・僕、あいつらに勝てるか不安だよ・・・。」
真空が半泣きになって言った。
「・・・じゃあさ、クリスタルのところへ行こう!」
氷龍が奇妙な穴の中へ飛び込んだ。
「!氷龍待ってよ!クリスタルって誰?!」
真空は不審に思いながらも穴へ飛び込んだ。


「さあて、今度真空を待ち受けるのは何かのう。
 修行〜たたかいをせいするために〜
 次回も神の導きを・・・。」




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