これは彼等がまだ幼かった頃の物語である・・・。 凰の場合・・・。 ここはウィンダリアのはずれ・・・。 後少しはずれれば別の世界に入り込んでしまいそうな所・・・。 そんな場所で一人の幼い少年は小さな銃で的当ての練習をしていた。 「よしっ!今日も調子良いな。相棒!」 凰は自分の手より少し大きい銃を磨き始めた。 彼は黒い凰・・・。 別名射撃名人である。 彼はこのウィンダリアでは1,2位を争う腕前なのだ。 彼が唯一勝った事が無いのは「これで風にいにリベンジだ!」 そう、黒き風である。 彼は黒き風に尊敬と同時に闘志を燃やしていた。 「風にいぃ〜!勝負しろぉ〜!」 凰が叫んだ次の瞬間、 「五月蝿いっ!」と言う声が凰の耳に響いた。 「そんな元気があるなら最近噂になっている魔物でも倒して来い!」 そう言うと男は扉を力強く閉めた。 「何だよ。この・・・。」 凰は一言言いかけてこう思った。 (その魔物を退治すれば風にいも俺の強さを認めてくれるかも・・・。ひひひひ・・・。) 「そうと決まれば出発だ!」凰は元気良く魔物の巣くう森へと向った。 「魔物ぉ〜!ででこぉ〜い!俺は逃げも隠れもしないぞぉ〜!」 半分歌を歌いながら凰はどんどん奥の方へと入って行く。 暫くすると「人の眠りを邪魔したのはお前か?」と魔物が姿を現した。 「出たぁ〜!」と言いつつも凰は銃を連射。 「痛くも痒くもないわ!」 魔物は全然平気な顔をしている。 「やっやべ!こんな時は・・・。」 凰は暫く下を向いて何かを考えた。 そして「逃げるが勝ちだぁ〜!」と言って猛スピードで逃げていった。 「ここまでけんか売っといて・・・。待てぇ〜!小僧!」 魔物は凰を追いかける。 「残念でした!逆立ちしても俺の足には追いつけないよぉ〜!だ!」 と言って凄い速さで逃げた。 さらに行くと遺跡のような物が見えてきた。 「ラッキー♪あそこに隠れるか。」 凰は一目散に遺跡へ飛び込んだ。 「暗いなぁ〜。」 凰は足場だけを頼りに奥へと進んだ。 暫く行くと灯りが見えた。 「ん?何か書いてあるぞ。」 石盤にはこう書いてあった。 『この魔に取り付かれし鉄砲を使いこなせる者・・・。 その者こそ神をも超える力を持つものなり・・・。 この石版を読みし者よ・・・。すぐ側にある手形に触れてみよ・・・。』 凰は「一体何のこっちゃ?」と首を傾げた。 「見つけたぞ!」 するとあの魔物が現れた。 「げっ!もう来やがった!」 凰は焦った。 それに追い討ちを掛けるかのように魔物は触手のような物を伸ばして攻撃してきた。 「おっと、ととと・・・。」 凰はバランスを崩した。 そして何と手形に触れてしまったのである。 すると突然石版が光、ジクソーパズルのような物が現れ、凰の腕に装着されていった。 「何なんだこれは!」 凰がそんな事を言っている間にそれは銃にいや、鉄砲に形を変えた。 「おぉ!いけてる!」 さらに上から袋が降ってきた。 「何でまた・・・。ん?何か入ってるぞ。」 袋の中にはカラフルな弾がいっぱい入っていた。 「もしかして・・・この鉄砲の弾か?丁度銃口に入るし・・・。使っちゃえ!」 凰は虹色に輝く弾を取り出し銃口に入れた。 そして「くらえ!化け物!」と言って引き金を弾いた。 物凄い音と共に虹色の光が銃口から放たれた。 そこから白いドラゴンのような獣が姿を現した。 ドラゴンはあっという間に魔物を倒してしまった。 魔物を倒したドラゴンはそのまま何処かへ消えた。 「いっ今のってもっもしかして・・・。」 凰は唾を飲んだ。 「ハバムート?」 凰が安心したのもつかの間、凰はドラゴンが消えた穴に吸い込まれたしまった。 「うわぁ〜!!!」 ・・・・・・・・・・。 「いててて・・・。此処は何処だ?ウィンダリアじゃないよな・・・。」 凰が辿り着いた世界はカラフルな世界だった。 ウィンダリアとはまた違って色取り取りの世界・・・だった・・・。 |