・・・異界・・・そこは、混沌なる者が支配する世界・・・ 未来・・・ここは、未来・・・そして、この世界の名はサイディリア・・・ 未来にしか存在しない最も不思議な世界だ・・・。 この世界には・・・不思議な生物がうじゃうじゃいる・・・。 そして、不思議な力を持った者が,その属性ごとに200年に1度生れる・・・ この主人公もその一人・・・。 神時剣〜えいゆうのちをひくもの〜 その名は、ラティス・サリラスだった。 しかし、その者の名はいくつもある。中でも一番すごいのが・・・鳳凰・・・だ。 ラティスは生れ付き、不思議な能力を持っていた。 最初の内は皆,誰も気が付かなかったがラティスが9歳の時・・・ 行方不明になってから3日後、妙な場所から姿を現したのだと言う。 そして、「ひいばあちゃんに会ったんだよ。」と口癖のように言ったそうだ。 しかし、ある時からラティスは気味悪がられるようになった。 何か、変な物が取り付いているだの,悪魔の子供だの、死者の国からの使いだの, そういう風に呼ばれ,友達もできずにただ一人孤独に育った。 唯一の友は、カレン・ロイヤーである。彼女もラティスと同じく,不思議な能力者だった。 そして、セフィア・マーシェルとルイ・シルライ。彼らも同じだった。 ラティスは、時。カレンは天地、そして、セフィアは光、ルイは闇ということだった。 カレンとセフィアはそれほどけむたがわれなかった。 しかし、ラティスもある事件が起こってからは友達が出来始めた。 その事件とは、ラティスもよく知らないらしい。 とにかくそれからは英雄の子供と言う事で特別扱いされた。 だが、最近になって行方不明になって帰ってこない者達が後を絶たなかった。 しかも、ある者の話では,いきなり姿を消したらしい。 「ねぇ、どう思う?」 カレンがニュースの事をラティスとセフィアに尋ねた。 「・・・おれの考えだと、ひょっとしたら、過去で何かあったんじゃないのか?」 セフィアは腕を組み,真剣な目で答えた。 神龍も龍のわりには理解しているようだった。 実は,セフィアの友人であるルイが同じように行方不明だった。 ラティスは何かの本を読んでいた。 「あのさ・・・ラティス、もっと真剣に考えたら?」 カレンが手に持っていたスティックを回すと物凄い風が吹き, 看板が飛んできてラティスの顔に直撃した。 「いって〜。それは、大事な時以外は使うなって言われてるじゃんか!」 今度はラティスが棒のような物を抜き,地面に刺した。 すると、時空が乱れ穴が開いた。 「やった〜。こうでもしなくちゃ開けてくれないと思ってね。じゃ、お先に〜。」 カレンとセフィアは真っ先に時空の空間へ入って行った。 「ったく、世話のやけるこっちゃ。」 ラティスは文句を言いながらもカレンとセフィアの後を追った。 時は経ち・・・現代の異界・・・まだ、伯爵が支配している頃だった・・・。 「ここが異界か・・・。」 ラティスとカレンとセフィアはその荒れくれように目を丸くしていた。 「・・・ここからは・・・単独行動で良いか?」 セフィアは良いとも言わない内に一人で、相棒の光鷹に乗ると行ってしまった。 「止める間もなかったなぁ・・・。」 ラティスは暢気な事を言っていた。 その途端,地が割れた。 「何?」 カレンは慌しく,じたばたした。 地が裂けた部分からはマジックポットが現れた。 「んなっ!過去に絶滅したと言われた奴じゃ・・・。」 ラティスはとても驚いた。 確かに未来人からしては珍しいからだろう。 その時だった。ラティスの武器である『神時器』が光り出したのだった。 「あれぇ〜?壊れちゃったか?」 ラティスは神時器を抜くとじっと眺めた。 すると、それは弓に姿を変えてのである。 これには、皆驚いた。 いつの間にかラティスの手には、3本の矢が握られていた。 「何か・・・思い出したような・・・。」 ラティスは人にも聞こえないような小さな声でそう言うと, 「ハープの音色により・・・鎮まりたまえ・・・。」 次に勢いよく、目を開くと 「夜の静けさを響かせる、セレナーデ(小夜曲)! 」 深い紺色の鏃の矢をまず、放った。 「光の輝きを保たせる,メヌエット(舞踊曲)!」 次は金色の矢を放った。 それは先程の矢と合体し,大きくなった。 「全てのモノを無へと返す、レクイエム(鎮魂曲)!」 そして、紫色の矢を放つと,同じように合体し,巨大な矢となった。 「目覚めよ!召曲獣!ズィンゲン!」 矢は1匹の獣と化した。 優しい音色が辺り一面に響き渡った。 獣は玉砕した。 「今のって・・・?」 カレンは不思議そうに尋ねてきた。 「あれは・・・音色の獣・・・この弓で召喚できるのは歌の獣だけだ・・・ だが、これは汚れた心を浄化し,悪しきモノを片っ端から葬り去る事ができるみたい。」 そう言い終わると神時器は元の棒へと戻った。 「聞いた話じゃ,これは獣を召喚する武器の他,直接攻撃の物もあるらしいよ。」 実は,これが此処の土地に住む、『神』を目覚めさせたとは彼らに会うまでは気が付かなかった・・・。 未来からの訪問者・・・。その力により目ざめし者のが・・・。 次回 鳥人〜とべないとりのしょうねん〜 それでは・・・。 |