禁じられていた物語・・・。
人ではない鳥人の者と聖なる龍神の者・・・
そして、華麗なる宝珠使いの者・・・。
今・・・幕を開ける・・・。
まず始めに目覚めるのは・・・。

鳥人〜とべないとりのしょうねん〜

切り深き森に佇む一つの影があった。
「今日こそオメガを見つけなければ伯爵様に何を言われるか・・・。」
ピー 
パイプを吹きながらオメガを捜している者が居た。
四凱将の一人・・・フングスである。
「黒き風を倒せない上、オメガまで持ち帰れなければどのような仕打ちが・・・。」
独り言をブツクサ言いながらフングスは暫く森の中を探索していた。
もう少し行った所でフングスが休憩していると黄金の光が一度だけ点滅した。
「何だ?」
フングスは妙に思って光った方へと向った。
しかしそこには何も無かった。
「某は幻を見たのか?しかしあれは・・・。」
フングスはふと考え込んだが、オメガを捜す方が大切だったのでそれ以上は考えなかった。
フングスはその後も森中を探し回ったがとうとうオメガは見つからなかった。
「このままでは本当に伯爵様に・・・。」
フングスが悩んでいると、草を踏む音がした。
しかもその音はこちらへ来るのだ。
「何者だ!」
フングスは度胸を据えてそれに話し掛けた。
「オメガを捜しているのはお前か?」
そう言って現れた少年はやや濃い金髪で、頭に長い羽を一本と短い羽を数本刺していた。
そしてやや灰色がかったマントを見につけ、鎧を着ていた。
フングスは最初ギョッとしたが、自分の目的を知っていたので不審に思った。
「確かに某はオメガを捜している。しかし、何故それが解った!」
「信じない人が多いが俺は人の心が解るんだ。」
フングスは(この者は芝居をやっているのではないか。)と思った。
すると突然その少年はオメガの欠片を一つ出した。
しかもその大きさは他のモノとはけた違いだ。
「くっくれるのか?」
フングスの問いに少年はコクリと頷いた。フングスは喜んだが、
「だがな・・・某は実際にオメガと戦ってだな・・・。」
フングスがまだそこまでしか話していないのに少年は納得して
「ならば、実際にやるが良い。」
そう言うと少年は頭に刺さっている長い羽を抜いた。
そしてオメガの欠片に刺した。
すると、オメガの欠片が薄気味悪く光った。
少年は言った。
「これでオメガは復活する・・・。フングス殿よ・・・。存分に戦うが良い。」
フングスは去ろうとした少年に「待て!貴様・・・名はなんと言う。」と聞いた。
少年は「朱雀の搖・・・。」とだけ言うと去った。

1時間後・・・。

辺りは焼けていた。
そこに息を切らせながらだが、フングスがいた。
「こっこれで伯爵様に叱られなくて済む・・・。」
フングスは地べたに横になった。
「世の中には良い者がいる・・・。」
フングスは安心したのか、そう一言はなつとこれから起きる事も知らずに伯爵の城を目指した。


目覚めた不完全な鳥人の少年・・・搖。
それを知る一人の者が次は迷い人たちに出会いの時が来る・・・。

龍神〜ひとぎらいなりゅうのこ〜

次回もアンリミテッドの導きを・・・。




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