目覚めた不完全な鳥人の少年・・・。
今度は青き龍の子が目覚める・・・。

龍神〜ひとぎらいなりゅうのこ〜

その日、フングスは鼻歌を歌いながら伯爵の居城へと帰ろうとしていた。
「へぇ。随分と立派なオメガを倒したもんだなぁ。」
フングスは声のした方へと振り返った。
見るとそこには無邪気な顔をした少年が居た。
「誰だ貴様は!」
フングスは怒鳴り散らした。
「まぁそう怒らないでくれよ。僕は君のオメガをかっぱらったりはしないから。
 あっ・・・質問の答えがまだだったね。僕はビルト。侯爵様の忠実なる部下・・・四武将の一人さ・・・。
 んじゃ、僕はこれで帰るから・・・僕達の方は下半身は全て手に入れたよ・・・まぁ精々頑張るんだね。」
そう言うと少年は風のごとく消えていた。

場所は変わって此処は不思議な湖・・・。
少し霧が出ていた・・・。
「ほんとにこんな所にお父さんとお母さんが居るの?」
アイが不審そうな顔をしている。
「何か不気味だねぇ・・・。」
ユウはいかにも早く此処を去りたいような口答えだ。
「あれは・・・。何かしら?」
リサがある物見つけた。祠のようだ。
「クェェェ〜!」
すると、チョビが何かに反応したように猛スピードで祠の方へと走っていった。

「暗いね〜。」
さて、3人はチョビを追う為祠へと入った。
やがて、光が差した。
「出口だ!」
3人は光の方へと走っていった。
しかし、そこは何とも不思議な空間だった。
チョビは不思議な石版のをじっと眺めていた。
「チョビ!」
ユウがチョビの元へと走る。
「クェクェックェクェクェクェ〜!」
「何て言ってるの?」
ユウが通訳した。
「この石盤に描かれてるのは異界・・・
 ううん、異界に混ざる前の何処かの世界の守護神なんだって。どこかは解らないけど・・・。」
その石版は上の方に尻尾が蛇で2本ある亀。
右の方に龍が,下の方に変わった鳥が,そして、左の方には虎がそれぞれ描かれていた。
「何か何処かで聞いた覚えが・・・。」
リサは何かを思い出そうとしていた。
ふと、アイの目に台座に置かれている物が止まる。
アイは(何だろう?)と思い,手を伸ばしたその瞬間,
「触るなっ!この白々しい人間め!」と言う声が何処からか響いてきた。
「誰?」
リサは氣現術の構えをとった。
「黙れ!直ちにこの場から立ち去らぬのなら成敗するぞ!」
その声は怒りに満ちていた。
「もう!正々堂々と姿を見せなさいよ!」
アイが逆に怒鳴った。
すると、上から青いモノが降ってきた。
だが、その者は全体的に何かで覆っているので顔が少ししか見えない。
「何故、人間がこの地に居る!」
その人はキビキビした声だ。
「チョビが・・・このチョコボがこの祠に入って行っちゃって・・・。」
ユウがそう言うと
「やかましい!人間の言葉など信じるものか!」
「一体それは何なの!此処は何処なの!」
ユウが叫んだ。
ふと、その人の目にユウがいつも身に付けている者・・・『ペンナ』が止まった。
「お前・・・あのチョコボのこと・・・どう思っている。」
その人の問いにユウはチョビをみて,答えた。
「友達・・・かなぁ。」
その人はその言葉を聞くと安心したように頷いた。
そしてフードを取った。
その人は蒼い目に蒼い髪、そして3人が何よりも驚いたのはふさふさとした耳だ。
「・・・お前達なら信用しても大丈夫そうだ・・・。ならば、話そう。
 此処は聖地。普通の者では決して入ることの出来ぬ場所。
 あの石盤に描かれているのは、順に玄武,青龍、朱雀、白虎だ。私は青龍の刹那。
 その名の通り,青龍の守護者だ。そして、あれは『七伝宝珠』と言ってな謎が多い珠だ。
 手にした者の願いを何でも叶えると言う。それと・・・この神牙・・・。」
刹那は自分の手に装備している剣を見せた。
「後他にも朱雀の持つ、聖羽。玄武の持つ、神甲。白虎が持つ,聖爪がある。
 とにかく、色々な伝説が集まる地なのだ・・・ここは・・・。」
3人は息を飲んでその話を聞いていた。
すると、いきなり変なものが降ってきたかと思うとその宝珠を持っていってしまったのである。
「誰だ!お前は!」
刹那が怒鳴った。
「ほぉ・・・貴様が青龍の刹那か・・・。」
そいつは人ではなかった。
「離れてろ。」
刹那はそう言うと神牙を構えた。
「神牙・・・久々にその本領を発揮するが良い。」
そしてこう言った。
「古より伝わりし,青き龍の牙から作りし剣よ・・・。今!現代に甦れ!青神龍牙!!!」
すると、牙のような物は龍のように空を駈けたかと思うと,立派な剣になっていた。
「神牙・・・起動。」
そして、「水龍牙撃!!!」と言った。
すると、氣現獣のような物が刹那と共に獣を倒した。
と思いきや,そいつはまだ生きており,宝珠を持って逃げてしまった。
「ふぅ・・・。」
刹那は一息ついた。
「刹那さん・・・逃げられちゃったね・・・。」
ユウがそう言うと刹那は笑い出した。
「クク・・・あれは、単なるガラス球だ。本物はそれぞれの者が持っている。さて、私もそろそろ去るか。」
刹那が一言はくと辺りは光に包まれた。

「う・・ん・・・。」
3人と1匹が気が付くと草原に出ていた。
上を見上げると青い龍が空を飛んでいた。

次々と目覚め行く者達・・・。
朱雀の怒り・・・。
青龍の恨み・・。
そこに現れるのは・・・。
光剣〜めざめとこころ〜
次回もアンリミテッドの導きを・・・。





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